ChatGPTで所見を書くことはできるのか

学校の先生の中で、所見文を書くのに苦労している人はいませんか?

「文章を書くの苦手」「所見文が思いつかない」「そもそも所見を書く時間がない!」

実は、そんな所見を一瞬で書いてしまう方法があります。

それが「ChatGPT」を使う方法です。

ChatGPTは、対話型のAIチャットツールで、現在さまざまな業種で注目されています。

もちろん教育業界でもChatGPTなどのAIツールはもはや当たり前の存在になってきました。

「ChatGPTが便利なのは何となく知っているけど、使い方がよくわからない」

そんなみなさんに、今回は「ChatGPTで所見を書く方法」について解説します。

皆さんが一番悩む「どのようなChatGPTに指示すればいいかわからない」というところも、実際の文例を用いて解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

この記事はこんな人におすすめ

・所見を書くのが苦手で困っている人
・ChatGPTを使って所見を効率的に書きたい人
・ChatGPTで所見を書く際気をつけることを知りたい人

目次

そもそも所見とは? 所見の役割や最近の傾向

所見とは

通知表に記載される、生徒個人個人の学習面や生活面に関する、担任(学校)からのメッセージです。

おおよそ200字~250字ほどで書かれることが多い気がします。

そもそも通知表は以下のような構成になります。(中学校の場合、内容や項目名は各学校により異なります)

 ・観点別学習状況の評価・評定(各教科のA,B,Cや5段階の評定のことです)

 ・特別の教科 道徳の評価

 ・総合的な学習の時間の記録

 ・特別活動の記録

 ・出欠の記録

 ・学習及び行動についての所見

このうち、道徳の評価、総合・特活の記録は学年として一律のものを出す場合が多く、学年主任や学年の進路担当が文章を考えてくれます。

そのため、担任が考えなければいけないのが「学習及び行動についての所見」になります。

所見の役割

なぜ、所見を書く必要があるのでしょうか。

所見の役割として生徒及び保護者とのコミュニケーション機能があると思います。

生徒からすると、担任の先生が自分のどのようなところを見ていて、どのように思ってくれていたのかを知る機会になります。

保護者にとっても、普段知ることのできない自分の子どもの学校での様子を知ることができ、さらに自分の子どもと担任がうまくやれているのかを知る材料にもなります。

昨今の所見事情

近年、所見を減らしたり、削除したりする学校が増えました。私も、1校目の学校では、1,2,3学期の通知表全てに所見欄がありましたが、2校目では、3学期のみの記入でした。

このような所見縮小の理由として、教員の業務の多忙化が挙げられます。

生徒一人の所見を書くとなると、一人当たり5分~10分程度かかります。しかし、実際の書く時間は生徒によってかなり差があり、一瞬で書けてしまう生徒もいれば、30分近くかけて書く生徒もいます。

書きやすい生徒と書きにくい生徒としては以下のような違いがあります。

所見を書きやすい生徒の特徴

  ・委員会や係活動などに積極的に取り組む生徒

  ・行事等で活躍した生徒

  ・クラスの中で目立つ生徒(ムードメーカー的存在)

  ・問題行動が多い生徒

所見を書きにくい生徒の特徴

  ・行事やクラスでの活動に積極的ではない生徒

  ・委員会や部活動などに所属していない生徒

  ・クラスであまり目立たない生徒

  ・不登校の生徒

 ここでは、一般的な意見を書きましたが、書きやすさ・書きにくさは先生によってまちまちです。私に関していえば、不登校の生徒に関して書きにくいと思ったことはなく、逆に問題行動が多いからと言って書きやすいと思いませんでした。

ChatGPTで所見を書くメリット

所見を書く時間が大幅に短縮される

先ほども書いた通り、所見を書くのには生徒一人当たり5分~10分程度かかります。クラスが30人だとすると、短く一人当たり5分と見積もっても150分、1時間半かかる計算になります。実際は、そんな短時間で終わる先生はほとんどおらず、もっと時間がかかります。

そもそも、通知表の作成自体、普段の業務と並行して進めることになるので、担任は、空きコマや放課後の限られた時間で所見を書かなければいけません。

私は所見を書くことがとても苦手だったので、1週間近くかけて仕上げていました。

内容を考えてくれるので、文章が苦手な人でもそれっぽい文章を書くことができる

先生の中には、所見を書くことがとても得意な人もいます。

しかし、私のように国語があまり得意ではなく、文章力に乏しい人間にとっては所見を書くことは苦痛以外の何物でもありませんでした。

そんな時こそChatGPTの出番です。ChatGPTは膨大な情報の中から適切な情報を取捨選択し、出力してくれます。はっきり言って、私が考える文章よりもはるかにボキャブラリーに富んだ文章を返してくれることが多いです。

ChatGPTで実際に所見を書かせてみた

では実際にChatGPTに所見を書かせてみましょう。

以下がChatGPTに送信したプロンプト(ChatGPTに入力するテキストのこと)です。

あなたは優秀な教育者です。

以下の制約条件と生徒の特徴をもとに各生徒の所見文を人数分出力してください。

制約条件:

・所見文は日本語表記で300文字程度で。

・中学生にもわかりやすい文章で。

・重要なキーワードを取り残さない。

・文章を簡潔に。

・出力の際、無理にすべての生徒の特徴を入れる必要はない

・情報が足りない部分はうまく言葉をつないでください。

生徒の特徴:

Aさんの特徴

・委員会・係:学級委員

・部活動:テニス部

・性格:誰に対しても優しい

・エピソード:率先して行事に取り組んだ

このプロンプトに対し、ChatGPTから出力された所見文がこちらになります。

Aさんは、学級委員としてクラスの中心的な役割を果たしています。常に誰に対しても優しく接し、仲間や先生方からの信頼も厚いです。特に印象的だったのは、学校行事に率先して取り組む姿勢です。準備段階からリーダーシップを発揮し、皆をまとめ上げる力には感心しました。また、テニス部でも熱心に活動し、チームの一員として努力を惜しまず取り組んでいます。Aさんの前向きな姿勢と積極性は、今後もさらに成長を遂げることでしょう。引き続き、その優しさとリーダーシップを発揮して頑張ってください。

どうでしょう。すごくないですか?

正直可もなく不可もなくという無難な文章ですが、逆に言えば大きな問題も見当たらないのではないでしょうか。当たり前ですが、ただプロンプトを書いただけですので、作成時間は一瞬です。

さらに、もう一人書かせてみます。次はさらに情報を抽象的にしてみました。(最初の命令文や制約条件は同じです)

生徒の特徴:

Bさんの特徴

・委員会・係:家庭科係

・部活動:バドミントン部

・性格:面白い

・エピソード:いつも笑顔

このプロンプトに対し、ChatGPTから出力された所見文がこちらになります。

Bさんは、家庭科係としてクラスのサポートを積極的に行っています。バドミントン部では、その明るく面白い性格でチームのムードメーカーとして大きな役割を果たしています。常に笑顔を絶やさず、周りの人々を楽しませるBさんの存在は、クラス全体の雰囲気を明るくしてくれます。困っている友達がいると、自分から声をかけて手助けする優しさも持っています。Bさんのユーモアと笑顔は、みんなに元気を与え、さらに良い環境を作り出しています。これからもその素敵な笑顔と面白さを大切にしてください。

こちらも問題なく書けています。

特にマーカーを引いた箇所は、生徒の特徴には入っていない内容です。つまり、ChatGPTが自分で内容を補完して文章を作ってくれたということです。

もちろん内容に関しては、実際の生徒の行動と照らし合わせる必要があると思いますが、ChatGPTを使うことで、内容がなかなか思いつかない生徒でも、一瞬で所見を書くことができるということがわかってもらえたと思います。

ChatGPTで所見を書くのは悪いことなのか

ここまで、ChatGPTで所見を書くやり方について解説しました。

しかし、ChatGPTで所見を書くことを良く思わない先生方は少なくありません。

実際、私が職員室でこのような内容の話をした際、ベテランの先生から「所見くらい自分で書きなよ」と言われたことがあります。

ChatGPTで所見を書くデメリットとしては以下のようなものが挙げられると思います。

ChatGPTで所見を書くデメリット

  •  ・誰にでも当てはまるような文章になってしまう
  •  ・具体的な出来事や生徒の言動が書かれていない
  •  ・担任の思いが伝わりづらい
  •  ・生徒や保護者の中にも、ChatGPTなどのAIを使うことを良く思わない人がいる可能性がある

ChatGPTで所見書く際に注意すること

そのため、ChatGPTで所見を書く場合には、あくまでChatGPTの文章は土台として、そこから具体的な生徒のエピソードなどを盛り込むなど、内容を推敲していく必要があります。

決して、内容の確認をすることなく、出力内容をそのまま通知表に載せることはやめた方がいいと思います。

また、生徒や保護者にはChatGPTなどのAIツールを使っていることに関してはわざわざ言う必要はなく、あくまで教員の中でとどめておく必要があると思います。

さらに、一番注意してほしいことは、「ChatGPTのプロンプトに生徒の個人情報を入力しない」ということです。

ChatGPTは、あくまでもインターネット上で活用するツールになります。校務サーバーなどとは違い、いつどこから情報が洩れるかわかりません。そのため、ChatGPTに入力する内容は個人が特定できるようなものは避け、生徒の名前などは入力しないように気をつけましょう。

まとめ

今回は、ChatGPTで所見を書くことができるかについてまとめてみました。

今回の内容をまとめると次のようになります。

・ChatGPTを使うことで所見を書く時間を大幅に短縮することができる
・内容が思いつかないときでも、ChatGPTが内容を補完してくれる
・内容に関しては教員がよく吟味し、実際の生徒とのずれがないようにする必要がある

ぜひ活用してみてください!

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